川越のラーメンシーンを語る上で絶対に外せないのが、地元・松本醤油商店が誇る天然醸造醤油「初かり醤油」の存在だ。文政元年(1818年)から続く杉桶仕込みの再仕込み醤油は、2年の歳月をかけてじっくりと熟成され、濃厚な旨味と角のないまろやかな塩気を持つ。この地醤油をタレ(返し)に採用する店舗がここ数年で一気に急増した。
スープのベースとなる鶏ガラや豚骨の出汁を打ち消すどころか、醤油本来の香味が肉の旨味を何倍にも引き立てる。ひとくちスープを口に含んだ瞬間、ノスタルジックでありながら力強い醤油の深みが口いっぱいに広がる。この「川越ならではの和の深み」こそが、他のラーメン激戦区と一線を画す最大の強みだ。