アタオの代表作といえば、本物のダイヤモンドパイソンを使用したレザー財布だ。使い込むほどに鱗が馴染み、飴色に変化していく経年変化(エイジング)が最大の魅力とされる。しかし、この「リアルな鱗」こそが、一部の人々にとってのトラウマになっている。爬虫類特有の質感が苦手な人にとって、財布の表面に並ぶ細かな鱗は、生理的な嫌悪感を呼び起こすトリガーになり得るのだ。
特に、集合体恐怖症(トライポフォビア)の傾向がある人にとって、あの規則的かつ有機的なパターンは直感的に「気持ち悪い」と感じられてしまう。どれだけ高級で美しい仕上げであっても、脳が本能的に拒絶してしまえば、それはファッションではなく「恐怖の対象」に成り下がってしまうのだ。