物語のクライマックス、アルプスの大自然の中で繰り広げられるドラマは、決して大げさな奇跡として処理されない。ハイジとペーター、そしてフランクフルトからやってきた車椅子の少女が紡いだ交流の時間は、最終話において最も美しい結実を迎える。ゼーゼマン一行がフランクフルトへ帰還するその日、悲しみではなく未来への希望に満ちた別れが描かれた。
特筆すべきは、感情の過剰な押し売りを排した演出だ。登場人物たちの表情の変化、風の音、草木の揺れといった繊細な背景描写だけで、キャラクターたちの溢れ出る感情を力強く表現してみせた。別れ際に交わされる「また来年も必ずアルプスへ来る」という約束。それは単なる気休めではなく、成長した子供たちが自らの足で歩み始めた証でもあった。