ntr作品は、強い設定を置けば成立するわけではない。読者が感情を動かされるには、登場人物の関係に説得力が必要だ。関係が浅いまま崩れても、喪失感は弱い。逆に、積み上げが丁寧なら短い作品でも重い余韻が残る。
視点の扱いも難しい。奪われる側の心情を追えば痛みが中心になる。揺れる側を描けば葛藤や自己正当化が前に出る。第三者の視点なら、読者は距離を取りながら関係の変化を見ることになる。どれが正解というより、作品が何を読ませたいかで選ぶべきものだ。
同人作品では商業編集者が入らないことも多い。その分、作者の意図が直接出る。強みでもあり、弱点にもなる。注意書き、導入、人物の動機、終盤の処理が雑だと、読者は感情移入する前に離れてしまう。