雛人形にまつわる情報の中には、現代のネット空間で過度に誇張された都市伝説や誤解も少なくありません。代表的な盲点を整理しておきましょう。
盲点1:「並べ方を間違えると縁起が悪い・婚期が遅れる」という迷信
ネット上で散見される「男雛と女雛の左右を間違えると災いが起きる」「片付けが遅れると婚期が遅れる」といった言説には、歴史的・神道的な根拠は一切ありません。本来、雛祭りは平安時代の「流し雛」に由来し、子どもの身代わりとして厄災を祓う無病息災の祈念行事です。「片付けを早くする」という言い伝えも、昭和期にしつけや整理整頓の教訓として語られた生活の知恵が変形したものであり、過度な不安を抱く必要はありません。
盲点2:「男雛の持ち物」の左右と向きの間違い
左右の配置以上に現場で間違いやすいのが、男雛が手にする「笏(しゃく)」や腰に差す「太刀(たち)」、女雛の「檜扇(ひおうぎ)」の持たせ方です。特に男雛の太刀は、刃の向きを上にして左腰に差すのが有職故実の正式な作法ですが、逆向きに差し込まれているケースが頻発しています。装飾品の向きに気を配るだけでも、全体の品格が格段に引き締まります。