二人の関係が大きく動き出したのは2001年秋のことでした。パリのシャルル・ド・ゴール空港で偶然すれ違ったというドラマのような邂逅を経て、雑誌の対談企画で正式に対面を果たします。辻氏が放った「やっと会えたね」という言葉は当時のワイドショーや女性誌を席巻し、交際期間わずか8か月というスピードで2002年6月に電撃入籍を発表しました。
結婚と同時に世間を驚かせたのが、芸能活動の第一線を退いて敢行したフランス・パリへの完全移住です。当時の中山美穂 辻仁成 馴れ初めを振り返ると、トップスターとして幼少期から多忙を極めプライバシーを制限されていた中山さんにとって、誰も自分を知らない異国の地で「一人の女性・妻」として暮らす選択は、切実な安息の追求でもありました。
2004年1月には長男の十斗さんが誕生。中山さんは現地の市場で買い出しを行い、息子の育児に専念する日々を送ります。一方の辻氏は執筆業に加え、現地のロックバンド活動や映画監督など多面的なクリエイティブ活動を展開していきました。一見すると理想的な文化人家庭に映ったパリ生活でしたが、その水面下では異国の孤立感とキャリアの中断による心理的摩擦が静かに進行していました。