かつての30系後期において、ヴェルファイアは販売不振に喘ぎ、一時は「アルファードへの一本化によるモデル廃止」すら囁かれていました。販売比率が1対9近くまで偏っていた当時を知る業界関係者からは、40系での復活そのものを危ぶむ声も少なくありませんでした。しかし、トヨタ開発陣が下した決断は、単なる延命措置ではなく「ヴェルファイアの再定義」でした。
40系開発責任者が公式発表の場で明かした通り、アルファードには「王道の上質さと世界水準のおもてなし空間」が託され、ヴェルファイアには「アグレッシブな走りとドライバー自らがステアリングを握る歓び」という明確なミッションが与えられました。見た目の違いに関しても、アルファードが重厚なメッキグリルで威厳を放つのに対し、ヴェルファイアは横基調の力強いフロントグリルと精悍なダークスパッタリング塗装を採用し、スポーティな迫力を前面に押し出しています。
さらに見逃せないのがグレード展開の設計です。アルファードが親しみやすいスタンダードな「Z」グレードを基軸に据えているのに対し、ヴェルファイアは上位設定の「Z Premier」をエントリーに据える強気な構成を採用しました。この棲み分けこそが、両車を「見た目だけの兄弟」から「明確な目的別フラッグシップ」へと昇華させた最大の要因です。