緑資源機構が解体に追い込まれた最大の理由は、特定森林地域整備促進法に基づく「林道専用道整備事業(旧・大規模林道事業)」などの調査・コンサルタント業務をめぐる大規模な官製談合の発覚にあります。2007年5月、東京地検特捜部および公正取引委員会による強制捜査が入り、機構主導で受注企業への天下り受け入れ枠や受注シェアがあらかじめ割り振られていた実態が白日の下に晒されました。
当時の捜査資料や関係者の証言によると、機構の理事やOBが中心となり、受注調整リストを作成して関連企業に発注先を指示する構造が長年にわたり定着していました。農林水産省の関連団体や公益法人、建設コンサルタント会社が緊密に結びつき、競争入札は完全に形骸化していたのです。この不透明な公金還流システムは、国民の強い怒りを買いました。
さらに事態を深刻化させたのが、政治家との深い癒着疑惑です。当時、機構関連の政治献金疑惑などで国会追及の渦中にあった松岡利勝農林水産大臣が2007年5月28日に急逝。その直後には機構の元理事も自死を遂げるなど、疑惑の全容解明が阻まれる中で社会的な衝撃は頂点に達しました。行政に対する国民の信頼は完全に失墜し、第1次安倍内閣から福田康夫内閣にかけての行政改革の波の中で、組織の「存続不可避」と断ぜられ、2008年3月31日をもって緑資源機構は正式に廃止されました。