立川駅から南へ歩を進めると、突如として深い緑の帳が姿を現す。諏訪神社(立川市)の歴史は、平安初期の弘仁2年(811年)にまで遡る。信濃国一之宮である諏訪大社から、武勇と風水の神として名高い建御名方神(タケミナカタノカミ)を勧請したのが始まりだ。
東京都神社庁にも登録されているこの由緒ある社殿は、かつて武士たちが戦勝を祈願し、農民たちが五穀豊穣を願った祈りの中心地であった。境内を取り囲む樹齢数百年のケヤキ並木は、街の近代化を見守り続けてきた生きた証人だ。普段は静謐な空気に包まれる鎮守の杜が、例大祭の期間中だけはまったく異なる貌を見せる。神聖な神事の場と、荒々しい民衆の熱気が合一する特異な磁場が、ここには確かに息づいている。