「子供のスマホを止めたい」と一口に言っても、保護者が直面している状況の深刻度によって取るべき手段は根本から異なります。テスト期間中だけ一時的に集中させたいのか、昼夜逆転生活を直すために夜間だけ使えなくしたいのか、あるいはルール違反を繰り返したことに対する一定期間のペナルティなのか。目的を明確に切り分けないまま衝動的な行動に出ると、後戻りできないトラブルに発展します。
通信キャリアの電波そのものを止める「回線の一時中断」は、外での通信や電話番号を使った発着信を物理的にストップさせる強力な措置です。しかし、多くの親が見落としがちなのが自宅のWi-Fi環境の存在です。キャリア回線を止めたところで、自宅の無線LANに接続できればLINE、YouTube、TikTok、オンラインゲームはこれまで通り何不自由なく動いてしまいます。そのため、「回線を止めること」と「端末の利用そのものを止めること」の違いを正しく把握することが不可欠です。
こども家庭庁が公表した青少年のインターネット利用実態に関する最新調査データによると、小中学生の1日あたりの平均利用時間は3時間を超え、高校生では4時間以上に達しています。利用制限を行う際は、「キャリア回線の停止」「Wi-Fiルーター側の制御」「OSによる端末自体の利用停止」という3重のレイヤーから、どの段階の処置が適切かを冷静に見極める必要があります。