酒席のローカルな思いつきにとどまっていた合言葉が、いかにして1億人の共通言語へと駆け上がったのか。その決定打となったのが、最高視聴率50.5%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録した昭和の怪物番組『8時だョ!全員集合』(TBS系)です。
1970年代末から1980年代前半、志村氏は仲本工事氏との対決コーナーや学校コントの劇中で、この飲み会ルーティンをそのまま持ち込みました。スタジオの生放送ならではの緊張感の中で、志村氏が「最初はグー!」と甲高い声で叫び、間髪入れずにリズムを刻む姿は、テレビの前の小学生たちに強烈なインパクトを与えました。
さらに当時の放送では、単なる「最初はグー」で終わらず、以下のようなリズミカルな拡張フレーズが畳み掛けられていました。
「最初はグー、またまたグー、いかりや長介 頭はパー、正義は勝つ、じゃんけんぽん!」
リーダーであるいかりや長介氏をいじるこの毒舌交じりのフレーズは、子どもたちの間で爆発的な流行を見せます。翌月曜日の朝、全国の小学校の校庭や教室では、児童たちが競うように同じポーズを取り、手を突き出し合いました。番組の圧倒的な影響力と、口ずさみやすい五七調のリズムが合致したことで、かつてないスピードで全国普及を果たしたのです。