実力派キャストの真価を引き出す演出力も、この枠を語る上で欠かせない要素だ。『エルピス—希望、あるいは災い』で葛藤する落ち目のアナウンサー役を熱演した長澤まさみは、孤独と正義感の間で揺れ動く複雑な情念を圧倒的なリアリティで表現し、視聴者を画面に釘付けにした。その凄みのある演技は、作品全体の質感を一気に底上げした。
一方で、『アンメット ある脳外科医の日記』で見せた杉咲花のナチュラルかつ魂を揺さぶる芝居も記憶に新しい。自身の記憶が失われていく恐怖と戦いながら患者と向き合う姿は、観る者の涙を誘った。長澤まさみや杉咲花といったトップ女優たちが全力を注ぎ込めるだけの重厚な台本と環境が、ここには用意されている。