なぜここまで東四つ木の避難インフラが注視されるのか。その背景には、葛飾区の水害ハザードマップが示す圧倒的な浸水リスクが存在します。
想定最大規模の豪雨によって荒川や中川が氾濫した場合、東四つ木一帯は最大で3階の軒下に達する5m〜10m未満の深さまで水没する可能性が指摘されています。さらに、ゼロメートル地帯の宿命として、一度水が押し寄せると自然排水が極めて困難であり、浸水期間が1週間から最大で2週間以上継続すると試算されているのです。
東四つ木で高台避難が強く叫ばれる理由は明白です。水が街を飲み込んだ後では、1階・2階に留まる自宅避難(垂直避難)すら命の保証になりません。水・電気・ガス・下水といったライフラインは完全に麻痺し、孤立状態での救助待ちは過酷を極めます。だからこそ、氾濫前に川を越えて武蔵野台地方面などの高台エリアへ逃げる「水平かつ広域な避難」が唯一無二の安全策と位置づけられています。