現代ソフトボールにおける標準スタイルであるウインドミル投法(風車のように腕を1回転させる投げ方)において、初心者が最も陥りやすい罠が「腕を力いっぱい前に振ろうとする意識」です。投球動作において腕は能動的に振るものではなく、下半身の並進運動と体幹の回旋によって「勝手に振られるロープ」のような状態が理想とされます。
腕を回す際は、テイクバックからトップポジション(時計盤の12時の位置)を通過する瞬間まで脱力し、重力と遠心力に従って円軌道を描かせます。このとき、リリースポイントのタイミングを一定にする絶対条件が「ブラッシング」です。ブラッシングとは、フォロースルー時に投球腕の内側(前腕部)を腰骨(腸骨棘の付近)に軽く接触させる動作を指します。
かつては「腰を強く叩いて止めろ」という指導も存在しましたが、現代の投球運動生理学では「腕の回転半径を一瞬で狭め、テコの原理で指先を加速させる支点づくり」と定義されています。骨盤を無理に正面へ向けず、投球側の腰がわずかに開いた(角度にして約40度〜45度)状態で前腕が腰骨をかすめることで、手首のスナップが自然に働き、ボールに爆発的なスピンがかかります。